感情的に否定しないこと
先日のことです。
これからドッグトレーニングを学ぼうとされている方からメールをいただきました。
素敵な感性と強い芯を持つ印象のその方は、ご自身の考えと現実のギャップに苦しんでおられました。
1月に放映されたNHKのドキュメンタリー番組(プロフェッショナル仕事の流儀)の後、意見の対立から多くの方が傷ついたと思います。
この方もその中の一人でした。
このメールは私にとって改めて初心を思い返す機会にもなりました。
私はこれまでにずっと体罰を否定しています。
ただその否定の仕方で気を付けていることがあります。
それは感情的に否定しないということです。
もちろんワンちゃんが叩かれたり蹴られたりするような光景を見たら、感情的になります。胸が締め付けられるくらい苦しくなります。大声で叫びたいです。
しかし同じものを見ても、そこで感じることは人それぞれ違います。
「かわいそう!」「ひどい!」というような感情的に体罰を否定すると、そうは思わない人は同じように感情的に反論するでしょう。
そうなるとただのケンカになってしまいます。
議論になりません。
また体罰をおこなっている方も納得できるような理由を添えるという事も意識しています。
「〇〇ということが起こるから体罰をするべきではない」というような具体的な理由をいっしょに述べるようにしています。
そしてよほどのことがない限り、個人に対して意見をぶつけることはありません。
それもケンカになるだけだからです。
私は、今体罰をおこなっている人も、体罰をすることに対してかわいそうと思わない人も、すべての人が体罰をしなくなってほしいと思っています。感情にまかせて否定するだけでは、相手には届かないでしょう。
すべてのワンちゃんたちが叩かれることなく傷つけられることなく、大好きな飼い主さんと幸せに暮らせるような世界になることを願います。