怒る犬をからかわないでください。(切実)

 

まずは以下の動画をご覧ください。

 

 

 

YouTubeで紹介されている動画です。

怒って唸る愛犬にちょっかいを出してからかっている動画です。

ネット上では、このような動画をよく目にします。

 

ドッグトレーナーからの切実なお願いです。

怒っている犬をからかわないでください。

 

寝ているところを邪魔されたら怒る犬、

ごはんを食べている時に手を出されたら怒る犬、

大好きなオモチャで遊んでいる時に、それを取られそうになったら怒る犬、

他にも、人間が予測もできないくらいの些細なことに対して、唸って怒る犬もします。

 

そんな犬たちは世の中にたくさんいます。

そのようなコたちに共通して言えることは、

怒らせれば怒らせるほど、その攻撃的な行動は大きくなっていくということです。

だから怒る犬をからかうという事はもってのほかなんです。

 

唸るという行動は警告です。

唸ってもダメなら彼らは噛みつきます。

普段から唸る犬をからかっていると、その唸る行動は噛みつく行動に変わります。

このようなケースで咬傷事故が起こるのは、「起こるべくして起こった」と言っても過言ではありません。

言い換えればこれは「防ぐことができる咬傷事故」とも言えます。

 

犬に冗談は通じません。愛犬が本気で拒絶し噛みつくようになってから「冗談だから…」では済まないんですよ。

 

 

そしてもう一つお願いがあります。

怒っている犬を叱らないでください

 

怒っている犬を叱ると防御的な反応を引き出してしまいます。

それによってその攻撃的な行動は爆発的に悪化します。

唸らずにダイレクトに噛みつくようにもなります。

 

 

「叱らないと調子に乗って噛みつきが悪化するんじゃないか?」

いいえ。

繰り返し噛みつかせる事もしくは叱る事で悪化します。

 

「そんな些細なことも我慢できない犬が悪いのでは?」

絶対に違います。

そのコにとっては、その些細な事でも怒らずにはいられないくらいの不快な事なんです。

それを理解してあげてください。

理解するとは、犬を責めたり否定したりしないという事です。

 

威圧されること(叱責)や痛みを与えられること(体罰)に対して、犬たちは激しく攻撃的に反応します。

でもそれは動物として自然な反応です。

野生動物が危険から身を守るために警戒心をむき出して攻撃的になるのと同じです。

犬だけ例外という事はないんですよ。

 

 

唸り噛みつこうとする愛犬の姿を見た飼い主さんは、それがどんどんエスカレートするんじゃないかと怖くなるでしょう。

そしてそれをすぐにやめさせようとして愛犬を厳しく叱るかもしれません。

でも

それは間違った接し方です。

 

 

愛犬の唸って噛みつく行動をそれ以上悪化させないために、まずしてほしいことは、

何もしないことです。

愛犬が唸ったり噛みつこうとしたりするようなことを一切しないでください。

それだけでその攻撃行動の悪化を防ぐことができます。

 

でも何もしないということは、犬自身の生活にも支障が出てきます。

どうしてもしなければいけない事、でもそれをすると愛犬が怒ってしまうような事、ありますよね。

例えば、首輪にリードを付けようとすると怒る犬、でもお散歩に連れていかないわけにはいかない、というような事です。

それなら犬が怒らないような工夫をしましょう。

例えば、大好きな食べ物をかじらせながら行ってもいいかもしれません。

その場しのぎのような方法でも、それが今後のトレーニングに繋がっていきます。

日常の中で愛犬を繰り返し怒らせていては、トレーニングの効果も出てきません。

 

彼らと一緒に楽しく暮らしていくために、

お互いが快適に暮らしていくために、

できる事を考えていきませんか?