犬に口輪が付いているからといって何をしても良いというわけではありません
口輪を付けている犬と聞いて、どのような事を想像されますか?
多くの人が凶暴な犬をイメージされると思います。
口輪を付けられている犬がガウガウと激しく怒りながら、
無理やり何かをされているような、
そんな場面を想像されるのではないでしょうか。
実際にそのような場面をよく目にします。
でもこの口輪の使い方は、人にとっても犬にとっても健全ではないと私は思っています。
今回私が強く訴えたいことは、
口輪を付けているからといって、その犬に何をしても良いということではない、
ということです。
口輪を付けられた犬が無理やり不快な事をされるということ。
抵抗する術を取り上げられた状態で、不快なことが続くという状況は、
犬にとってとても辛いものでしょう。
実際に体調を崩す犬もいます。
犬が抵抗しても、その不快なことが続いている時、多くの場合、犬はさらに激しく抵抗しようとします。
興奮の度合いもとても激しくなります。
口輪を付けられていることで、十分に口が開かずチアノーゼに陥る犬もたくさんいます。
精神的にも身体的にもけっして健全な状態とは言えません。
また問題はそれだけにとどまりません。
もしも
口輪を付けた状態の犬に、無理やり不快なことをおこなっていると、
犬は必ず「口輪を付けられると嫌な事をされる」と学習します。
それ以降、口輪を付けること自体に、激しく抵抗するようになります。
口輪を付けることに、人が噛みつかれるというリスクが発生するということですね。
もしもトレーニングによって、口輪が付けられるようになっていたとして、
このような使い方をしていると、犬はすぐに口輪を拒絶するようになり、
がんばったトレーニングも無駄になってしまいます。
通常、不快な事に慣れてもらうトレーニングでは、
その犬が過剰に不快感を感じないように、やさしく丁寧におこなわれていきます。
これは口輪を付けていても同じなんですね。
口輪を付けていたとしても、その犬がガウガウと怒らないような、丁寧な接し方が必要です。
そのうえで、万が一何かあった時に誰も怪我をしないように口輪を付ける、ということなんですね。
このような使い方をすれば、口輪を付けられている犬も、いたって穏やかです。
一般的に口輪はあまり良い印象を持たれていないように感じます。
ですが口輪自体は悪いものではありません。
その使い方に問題があるということです。