【犬の行動】ふざけている行動、怖がっている行動、どっち?
愛犬の困った行動を目の当たりにした時、どうしてそのような行動をするのかと疑問を持たれる方は多いでしょう。
彼らは、、
飼い主を困らせようとしているのでしょうか?
自分の方がエライと力を誇示しているのでしょうか?
飼い主が愛犬の行動の理由を知りたいと思うのは当然です。
もしも犬たちが言葉を用いて自分の考えを説明してくれたら、愛犬の事をもっともっと理解することができるのですがそうはいきませんね。
だから私たちは彼らの行動を見て、何を考えてその行動をしているのか推測するわけです。
ただ推測をするという事は、人によってその解釈が異なることもあります。
例えば、
一人は「この犬はふざけている」と言うのに、
もう一人は「この犬は怖がっている」と言います。
ふざけている行動と怖っている行動は明らかに違うように思いますが、そんなことってあるのでしょうか。
以前にアメリカの人気ユーチューバーが愛犬を叱っている動画を公開して炎上しました。
私もその動画を拝見しました。
このドーベルマンは叱られた後も飼い主に甘えるように飛びついたり、顔をなめたりしています。
一見、ふざけていて叱られたのに懲りていないように見えますよね。
だからこの方はその子をさらに押さえつけて強く叱りつけたのでしょう。
この叱られた後のじゃれるような行動は、子犬が見せる典型的な防衛行動だと私には見えます。
大きな牙を持たない子犬は、敵から身を守る術を持ちません。
小さな子犬が持つ唯一の防衛手段は、自分に敵意がない事を示すだけです。
全身を使って無邪気さを示して自分はいかに危険な存在でないかを見せることで、相手の攻撃性を下げようとするのですね。
この子犬のような行動はカーミングシグナルの一つとしても知られています。
(テゥーリッド・ルーガス『カーミングシグナル』2009年)
幼形成熟という特性を持つ犬にはよく見られる行動です。
この動画は、これ以上自分を傷つけてほしくなくて訴えているドーベルマンが、ふざけていると飼い主に受け取られてさらに強く叱られたという、とても悲惨な状況に私には見えました。
叱られた後、この犬がじゃれるように振る舞うその理由は、飼い主をなめているからでしょうか。それとも飼い主を怖がっているからでしょうか。
行動の理由を見た目から推測するということは、このように人によって解釈が異なる場合があるということです。
これは犬の行動を専門にしているドッグトレーナーにも当てはまる問題です。
行動への解釈が異なれば、それに対する対応も変わるため、トレーニング方法がなかなか確立されないのも当然ですよね。
難しい問題です。
行動の理由をその見た目から推測するという事について少し慎重に考えなければいけません。
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