トレーニングは時間をかけるからこそ安全におこなう事ができる

「愛犬の困った行動が一瞬で劇的に変わる」

 

とても魅力的な言葉ですよね。

ドッグトレーニングの広告で見かけました。

 

この魅力的な言葉について考えるために、ちょっとあなたの過去の体験を思い出してみてください。

 

あなたの人生の中で行動が劇的に変わった時、それはそれだけ大きな出来事があった時ではないでしょうか。

 

長年、習慣になっているような行動を変えるのってなかなか難し事です。

そんな行動が変わるのですから、それは大きなインパクトがあったことでしょう。

 

愛犬の問題行動も短期間で変えようとされると、そこで行われる出来事は大きくなります。

一般的に困った行動をやめさせるためには嫌悪刺激が用いられるわけですから、

犬の問題行動が激しければ激しいほど、それに対する嫌悪刺激も大きくなります。

スパイクチェーンが良い例ですね。

 

痛みや恐怖を伴うような嫌悪刺激が大きければ、どのような事が起こるでしょうか。

 

当然、犬と人の関係は壊れてしまいます。

怖がるようになり、飼い主に近づかなくなるかもしれません。逃げるようにもなるでしょう。

自己防衛のために噛みつくようになることもよくあります。

嫌悪刺激によって犬の体を傷つけてしまう事もあります。

訓練器具によって皮膚が裂けてしまったり、頸部が圧迫され損傷したり、骨折することだってあります。

 

心身共に良い影響は与えません。

愛犬の問題行動を一瞬で劇的に変える方法は果たして安全でしょうか。

慎重に考えたいことですね。

 

 

このような危険を避ける安全な方法はあるのでしょうか。

 

それは犬への負担の少ない方法です。

犬への負担の少ない方法は、その分行動の変化も少しずつ進むため時間がかかります。

ただその部分にメリットがあります。

 

インターネットやしつけ本では様々なトレーニング方法が紹介されていますが、

全ての犬に合う普遍的な方法なんて存在しません。

犬の性格はいろいろです。飼育環境も違います。飼い主だって違います。

その犬がどのような事を経験してきたかという、問題行動の背景だって違います。

そのような状況で、トレーニングを行うわけですから確認と調整が絶対に必要になります。

トレーニングを行い、犬から返ってくる反応を確認して、うまくいかない所は調整します。

それを繰り返すことで、その犬に合った(飼い主にも合った)方法が見つかります。

犬への負担の少ない方法は、うまくいかないところを取り返しのつかなくなる前に調整することができます。

もしも効果が見られなかったり、悪化が見られるならすぐに調整して軌道修正することができます。

 

 

 

ドッグトレーニングは一か八かというものではありません

 

少しづつ確実に事を進めていき築き上げていくものです。

時間をかけて教える事は、誰もが安全におこなう事ができる方法でもあるという事です。

 

時間がかかる

ではなく

時間をかける

というところを強調したいです。

 

 

 

 

 

そうは言っても、、、

 

 

 

 

時間をかけると言っても、今すぐに何とかしなければいけない問題が起こっている場合もありますよね。

そこで鍵になるのは、問題行動を行動的問題として捉えることです。

例えば愛犬が吠えるのは、それ自体が問題ではありません。

愛犬が吠えることによって、来客と話ができない、テレビの音が聞こえない、夜に寝ることができない、といった問題が生じているということです。

このように考えれば、その場でできる事はいろいろあると思いませんか?

もちろんこれは愛犬の問題行動を放置するということではありません。

すぐに何とかしなければいけない問題に対応しながらトレーニングを進めていくために何ができるかを考えています。

 

 

 

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