愛犬に名前を教えることがしつけの第一歩! ごほうびを考える編 

 

前回の記事では、

フードが無いと振り向いてくれない、という状態にならないために、

フードを持って名前を呼んだ時に、愛犬が振り向いたら、褒めてフードをあげる。

フードを持たないで名前を呼んだ時も、愛犬が振り向いたら、褒めてフードをあげる。

というように、毎回きちんと褒める事が大切という内容でした。

練習の時だけ意識して褒めるのではなく、日常の中でも愛犬の行動を褒めましょう。

 

前回の記事です↓

 

 

 

 

ところで、、

毎回きちんと褒めてフードをあげるという事は、、

今後もずっとご褒美にフードをあげ続けなければいけないということなのでしょうか?

 

当然の疑問ですね。

 

そこで今回は「ごほうび」について考えていきます。

 

 

まず押さえておきたいことは、行動の原理です。

行動の後に、うれしい事が起こると、その行動は強化されます。

強化とは、生起頻度が増すという意味です。

どんどんその行動をするようになるというイメージを持ってください。

愛犬の好ましい行動を増やすには、「行動したらうれしい事が起こった」ということを愛犬に経験させなければいけません。

 

名前を呼ばれた時に、振り向いたら、褒められてフードがもらえた、という事を愛犬に経験させることで、名前を呼んだらどんどん振り向いてくれるようになっていきます。

「振り向く」という行動の後に、「フードをもらえた」といううれしい事が起こることで、振り向く行動は強化されるということですね。

ここで紹介している練習方法では、行動を強化するためのうれしい事として「フード」を用いています。

 

 

 

でも、

ちょっと考えてみてください。

 

犬にとって、「うれしい事」ってフードだけでしょうか。

 

愛犬があなたと一緒に過ごす中で、彼らが経験する楽しい事やうれしい事って、フードをもらう事だけでしょうか。

 

そんなことはありませんよね。

 

あなたに撫でてもらう事や、声をかけてもらう事、抱っこしてもらう事、

オモチャを投げてもらう事や、引っ張りっこ遊びに、追いかけっこ、

取っ組み合い遊び、お散歩に行く事、車に乗る事、

ドッグランに行く事、飼い主が仕事から帰ってくる事、などなど、、

愛犬が喜んでくれる事ってたくさんありますよね。

 

これら全てがご褒美になるんです。

 

 

例えば、

名前を呼んで、愛犬が振り向いたら、オモチャを投げる、という流れでも練習できるかもしれません。

お散歩に行く前に、名前を呼んで、お散歩グッズを取り出し、愛犬が振り向いたら、お散歩に出かける、という流れでも練習できるかもしれません。

取っ組み合い遊びをしている最中に、お互いが動きを止めて対峙している時、名前を呼んで、愛犬がちらっと反応したら、取っ組み合いを再スタート、という流れでも練習できるかもしれません。

 

教え方は千差万別です。

 

 

練習を繰り返して愛犬がその行動を覚えてくると、日常の中でもその行動を見せるようになっていきます。

それらの行動に対して、その場でできる「愛犬にとってうれしい事」を提供できれば、毎回フードをあげる必要もないのですね。

 

 

ただ、

気を付けていただきたいことがあります。

上に記した「うれしい事」が、すべての犬に当てはまるとは限りません。

犬によって好きなものは違います。

犬によって遊び方も違います。

フードであっても好みに違いがあります。

あなたの愛犬は何が好きなのか、よく観察して探してみましょう。

 

 

また同じものが毎回ご褒美になるとも限りません。

シチュエーションによっては、ご褒美にならないという事もあるんです。

普段、頭を撫でられることが大好きな犬でも、

ボールを抱え込んでいる時に、差し出される飼い主の手は、

もしかしたらボールを取り上げようとしている手、と感じるかもしれませんね。

ごはんを食べている時に、差し出される飼い主の手も、犬にとっては同じように感じるかもしれません。

 

 

あなたが褒めているつもりでも、愛犬が“うれしさ”を感じていなければ、褒めていないのと同じという事です。

愛犬が振り向いているのに褒めていないと、前回ご紹介した「弁別」が起こってしまいます。

愛犬にとって、何がご褒美になるか、よく考えたいですね。

 

ご褒美についてもう少し詳しく書いた記事をご紹介します。

参考にしてください。