愛犬を花火大会に連れて行く前に─少し立ち止まって考えてみませんか?
夏の風物詩といえば、やはり花火大会。
夜空に大輪の光が咲き、胸に響く音とともに感動の時間が流れます。
「せっかくだからうちの子(犬)も一緒に見せてあげたい」
そんな気持ちになるのも自然なことでしょう。
でもちょっと待ってください。
その「せっかく」を愛犬も本当に楽しめているでしょうか?
愛犬にとっての「花火大会」
私たち人間にとっては楽しいイベントでも、犬にとっては理解できない状況になるでしょう。
・突然鳴り響く大きな爆発音
・振動する地面や空気
・周囲の大勢の人の声や足音
・いつもと違う匂いにあふれた場所
人間の目線では「にぎやかで楽しい場所」でも犬にとっては「逃げ場のない恐怖の空間」になってしまうことがあるのです。
犬の聴覚は人間の4倍以上とも考えられています。小さな物音にも敏感です。
花火の破裂音は雷と同じくらい不快で強烈な刺激として届いてしまうかもしれません。
空気が揺れる感じって分かりますよね。
「大丈夫だよ」と声をかけたところでその音の正体が分からない犬にとっては安心材料にはなりません。
花火大会で起こりうるトラブル
実際、花火大会や夏祭りのあとには「犬が逃げてしまった」という報告がSNSなどに多く上がります。
恐怖でパニックになった犬がリードを振り切ったり、抱っこから飛び降りたりして姿を消してしまうケースも少なくありません。
一度強い恐怖を感じてしまうと今後似た音や環境に対しても過敏になってしまうこともあります。
「一緒に楽しむ」とは?
「愛犬と一緒に出かけること」は犬と暮らしていく中で一つの楽しい思い出になると思います。
でも人間の都合に巻き込むのではなく、愛犬の目線に立って想像することそして選択すること。
それが本当の意味での「一緒に楽しむ」につながっていくのではないでしょうか。
お留守番も愛のかたち
愛犬を花火大会に連れて行くのはおすすめできません。
「可哀そうだから置いていけない」と思うかもしれませんが、実はその逆。
家で安心して過ごせることこそが犬にとっては何よりの幸せです。
夏の思い出は、犬と過ごす静かな夜にもちゃんとありますよ。