叱らないトレーニングによる問題行動の変化(動画あり)

前回、インコのしつけの本を紹介させていただきました。

その本には、問題行動に対して叱る必要はないということが、何度も繰り返し書かれています。

どうやらインコの世界でも、問題行動に対して、叱ったり脅かしたり、時には体罰をしたりすることが行われているようです。

犬のしつけと同じですね。

問題行動をやめさせるには、動物に不快な事を経験させるしか方法はないという共通の見方があるようです。

 

でもそれは間違いです。

 

叱らないトレーニング方法で、犬の問題行動がどのように変化するかを知っていただきたいと思い、

今回は動画を用意させていただきました。

 

この犬さんは、自宅の敷地内に車が入ってくると、その音に反応して吠えてしまいます。

問題行動のきっかけが“音”なので、動画では分かりにくいですが、この犬さんの反応をご覧ください。

吠え始めると、お母さんが声をかけても、フードを見せても吠えることを止めることはできません。

 

次の動画はトレーニングをはじめてから4週間後に、同じ状況で撮影したものです。

 

このトレーニングでは叱ることも脅かすことも一切しておりません。

教えていることは、車の音が聞こえた時、自発的にお母さんの方を見るという行動です。

車の音が聞こえた状況で、この犬さんの吠えるという行動が起こらなくなっているのが分かりますか。

とても落ち着いていると思いませんか?

このように叱ったり脅かしたりしなくても、犬の問題行動を変えることができるということを知っていただきたいのです。

 

ちなみに

トレーニングでこのようなことができたからといって、それで終わりではありません。

このトレーニングで行ったことが、日常生活に反映されなければ意味がないからです。

そのための様々な試みも同時におこなっています。

 

 

 

叱らない方法で教える事の大きなメリットは、試すことができることだと考えています。

試してみて、犬の反応を確認し、修正してもう一度試してみる。

このように確認しながらトレーニングをおこなう事で、その犬やその飼い主に合ったトレーニング方法が出来上がっていきます。

 

一方で、叱る方法や脅かす方法は、試すということがなかなかできません。

動物は不快な刺激に対して敏感に激しく反応するからです。

問題行動を減少させるくらいの強度で叱ると、愛犬は攻撃行動を示すようになったり、逃げるようになったりすることが簡単に起こってしまいます。

でもそれは当然です。動物が不快なものを避けようとするのは、生きるために備わった最優先されるべき反応だからです。

そうなると、その副次的に起こった行動に対しても考えていかなくてはいけません。

問題はどんどん複雑になっていきますね。

 

叱らなくても、脅かさなくても、問題行動を変えることはできます。

まずはそちらを試してみませんか?