犬の行動の理由は4つに分けられます。

どうして犬はその行動をするのでしょう。

愛犬の困った行動を目の当たりにした時、疑問に思ったことはありませんか?

行動の理由について知ることは、問題行動の対応方法を考えるためにとても大切なことです。

今回はその行動の理由について書いていきます。

 

以前、ブログで「行動の働き」について取り上げました。

こちらの記事です↓

 

行動の働きとは行動の理由目的という言葉で言い換えることもできます。

そしてこの行動の働き(理由)は主に4つに分けられます。

早速順番に見ていきましょう。

 

1物や活動が得られる

行動したら大好きな物が得られたりやりたいことができたりするから、その行動が行われているという状況ですね。

吠えたら食べ物をもらえてきた犬は、食べ物を得るという目的で吠えていると考えられます。

ゴミ箱を倒して中からティッシュペーパーを見つけ遊んできた犬は、ティッシュペーパーを得るという目的でゴミ箱を倒します。

 

2注目が得られる

注目という言葉はあまり聞きなれない言葉ですね。

例えば、声をかけてもらう、撫でてもらう、抱っこしてもらう、視線を向けられるなど、手に取ることができない社会的な刺激を指します。

行動したら飼い主から注目が得られるから、その行動が行われるという状況ですね。

飛び跳ねたら撫でてもらえてきた犬は、撫でてもらうという目的で飛び跳ねます。

人間の手を甘噛みしたら遊んでもらえてきた犬は、飼い主と触れ合うという目的で甘噛みします。

飼い主が叱っているつもりでも、犬は「構ってもらえた」と受け取っている場合もよくありますね。

吠えると「静かに!」と声をかけてもらえてきた犬は、声をかけてもらうという目的で吠えます。

 

3逃避・回避できる

行動したらその場の不快な出来事から逃げることができるから、もしくは不快な出来事が生じそうな状況を回避できるから、その行動が行われるという状況です。

噛みついたら爪切りが止むという経験をしてきた犬は、爪切りの中断という目的で噛みつきます。

吠えると苦手な他犬が遠ざかっていくという経験をしてきた犬は、他犬を追い払うという目的で吠えます。

 

4感覚が得られる

行動したら感覚的な刺激が得られるから、その行動が行われるという状況ですね。

自己刺激を得るという目的で行われる行動です。

尾追い行動のように、尻尾を噛みついた時に尻尾に感じるその感覚が得られてきた犬は、その感覚を得るという目的で尻尾を追いかけます。

 

これらの行動の理由を理解することは、問題行動の対応方法を考えるうえでとても重要になります。

見た目が同じ行動でもその理由が違うからです。

「吠える」という行動一つとっても、物を得る、注目を得る、不快な出来事を遠ざける、と理由は様々です。

それぞれの理由に沿った対応が必要になります。

例えば、外から聞こえる物音に対して吠える犬は、その怪しい物音を追い払う(逃避・回避)という理由で吠えていることがほとんどです。

そんな吠えている犬に対して飼い主が「無視」をしても、その効果はないかもしれませんね。

 

 

参照:『メリットの法則』集英社