犬の問題行動の解決のためには「提案・評価・修正」はセットです。
おこなったトレーニングに対して評価し修正すること。
これは犬を訓練されているドッグトレーナーさんたちにはごく当たり前のことかもしれません。
声をかけるタイミング、体を動かすタイミング、指示の出し方、ごほうびのあげ方などなど、、
犬の反応を確認しながら、その都度、的確に修正を加えることで、卓越したテクニックで効果のあるトレーニングが行われていきます。
評価と修正がとても大切なことは、ドッグトレーナーさんなら誰もが知っていることでしょう。
しかし、こと問題行動に関してはこの「評価と修正」が疎かにされがちのように感じます。
多くの場合、問題行動に対するトレーニングは、ドッグトレーナーではなく飼い主さんが行います。
そのため問題行動のアドバイスをしたらしっぱなしという場面を時々目にします。
犬たちにはそれぞれ個性があります。飼育環境も家庭によって異なります。
問題行動に対するトレーニングにおいて、
全ての犬たちに効果のある万能な方法なんてそうはありません。
頭の中で思い描く理論だけでうまくいくケースも稀です。
だから最初の提案だけで、バシッと問題が解決することってなかなかないんです。
実際に問題行動に介入し、その後に犬の反応を確認して、修正をする。それを繰り返すことで、その犬に合った方法が出来上がり、トレーニングに効果を持たせることができるということです。
経過を追っていたら、うまくいっていないことも知ることができ、すぐに修正することができます。
甘噛みをしたらケージに閉じ込める、
唸る犬を押さえつける、
子犬を1人で寝かせて夜鳴きを無視する、
このような方法を提案したとしても、経過を追っていれば、その後にどのような事が起こっているか分かるはずなんです。
甘噛みをした子犬をケージに閉じ込めていたら、すぐに飼い主から逃げるようになるでしょう。抱き上げると噛みつきは激しくなり、ケージの中で鳴き叫ぶようにもなります。
唸る犬を押さえつけようものなら、その唸りは、本気噛みにすぐに発展します。
夜鳴きを無視したら、近所迷惑になるくらいの声で鳴き始めるでしょう。
うまくいかないであろう方法が世の中には出回っています。
インターネットでも、効果の期待できないような方法が繰り返し記事にされています。
うまくいかない方法が長年繰り返しアドバイスされているのは、提案者が経過を追っていないからではないかと私は思っています。
インターネットで記事を書かれている人たち(ドッグトレーナー?)は、自分でその方法をおこなった事が無いか、おこなったとしても経過を追っていないかのどちらかではないでしょうか。
提案したら評価し修正する。
1つの提案に対して最低限するべきことです。
「この前お伝えした事、実際に試されてどうでしたか?」
私がレッスンで必ず飼い主さんに聞くことです。
レッスンの場だけではありません。
ご様子伺いという形で連絡も取ります。
お買い物でお店に立ち寄られた時にも、伺います。
しつこいくらいかもしれません。
でも、犬の行動的問題の解決は、「評価」と「修正」無しに実現するものではありません。