【犬のしつけ】正解は無いのだから自己流で構わない?

以前ツイッターにこのようなつぶやきをしました。

これは、犬のしつけには正解は無いが不正解はあるという事を取り上げた内容のツイートでした。

— コンピス (@kompismedhund) May 23, 2020

 

このことについて少しだけ掘り下げます。

 

そもそも何を基準に正解、不正解を判断するのでしょう。

私がつぶやいたこの内容は、「すべての犬に当てはまる方法」というものを指して書いています。

「犬のしつけに正解は無い」という事は、すべての犬に当てはまるテンプレートのような方法は無いという事です。犬の問題行動への対応は、犬の性格、飼育環境、飼い主の技量などによって実際におこなう事が変わっていきます。

一方で「犬のしつけには不正解がある」とは、すべての犬に当てはまる間違った方法があるという事です。ツイッターでも具体例を挙げていますが、行動と環境の関係性を無視した方法や、大きな副反応を引き出すもの、犬本人に、または飼い主やその周辺に強い負担をかけるもの、こういった方法は間違いだと考えています。

 

代表的な例としてよく取り上げられるのは「吠え止んだら褒めましょう」という方法です。

「吠えた後に褒める」と「吠え止んだら褒める」とでは、犬が褒められる状況は同じではないでしょうか。

飼い主は吠え止んだことを褒めているつもりでも、犬は吠えたことを褒められたと受け取るかもしれません。

吠える行動を減少させる目的があって、吠えやんだ時に褒めているのなら、それは間違った方法と言えるでしょう。

このことについて詳しく書いた過去の記事を紹介いたします。

 

犬の夜鳴きへの対応方法に関しても指摘しなければいけません。

犬をクレートに閉じ込めて鳴いても無視をするという方法が実際に行われています。

鳴いても望む結果が得られなければ、行動に消去が起こり鳴かなくなっていくと思いますが、この荒療治は犬にとても大きな負担をかけます。ほかに方法があるなら優先的にこの方法を行う事は間違っています。

またこの荒療治をすると介入時に鳴き声は爆発的に増加します。犬自身に周囲の人に大きな負担をかけてしまうようなこの方法は社会的に間違った方法だといえます。

 

 

「犬のしつけは正解なんてないのだから自己流で構わないだろう」

一般の飼い主だけでなく、ペット業界に関わる専門家の方たちからもこのような趣旨のご意見を目にすることがあります。

個人の教育観に基づいて自己流でおこなったり、一般の犬育て先輩のアドバイスを参考にされている方も多いのではないでしょうか。

 

行動と環境の関係性には法則があり、その法則に従って行動は変化していきます。

これを知らないと、愛犬への取り組みがうまくいかない時、その犬に問題があるとして済まされてしまいます。

「うちのコは頑固だから」「バカだから」というように。

でもそれは違います。

それぞれの犬に合った方法が大切とよく言われます。

それなら、しつけ方法にうまくいかない原因を考えるべきです。

そうすることで初めてそれぞれの犬に合った方法が見つかるのではないでしょうか。