愛犬に自分の名前を伝える方法! 食べ物が無いと振り向いてくれない犬
前回、愛犬に名前を覚えてもらうための方法を紹介いたしました。
ちょっとおさらいです。
「名前を呼ばれた時」+「フードが出てきた」→「飼い主の方を振り向く」→「褒められた(フードもらった)」
犬はこのような事を経験することで、名前を覚えていきます。
実際の手順としては、
まず、名前を呼びながらフードを見せます。
いっしょにフードを見せることで、犬は容易にこちらを振り向いてくれると思います。
そこでその「こちらを振り向いたこと」を褒めましょう。
この流れを愛犬に経験させることで、名前とフードが結びつき、名前を呼ばれたら振り向くという行動が出来上がっていくのですね。
でも、
フードを見せて教えていると、フードを持っている時にしか名前に反応してくれなくなるのではないか、、と心配される方もいらっしゃると思います。
それはあるかもしれません。
そこで今回は「フードが無いと反応してくれない」について書いていきます。
フードを持っている時にしか、名前に反応してくれないという状況をもう少し具体的に書くと、
●フードを持っている時に、名前を呼んだら、愛犬は振り向いてくれる。
●フードを持っていない時に、名前を呼んでも、愛犬は振り向いてくれない。
ということになります。
このように刺激の有無に対して行動に違いが出てくることを、「弁別が起こる」と言います。
そこで、この弁別が起こる仕組みを理解しておくと、このような事態に陥ることを防ぐことができるかもしれません。
まず名前と振り向く行動は、どうすれば結びつくのか考えてみましょう。
ただ名前を呼んで振り向かせているだけでは、これら2つは結びつきません。
重要な事は、名前を呼ばれた時、振り向いた後に、褒められた、という流れを経験させることです。
褒められた、という事まで犬が経験することで、初めて、名前と振り向く行動が結びつくのですね。
逆に言えば、褒められなければ、名前と振り向く行動は結びつきませんし、事前に結びついていたとしても、その結びつきはどんどん弱くなっていきます。
名前を呼びながらフードを見せて、愛犬が振り向いたら、褒めてフードをあげる、という練習を行っていると、
名前とフードと振り向く行動が結びつくので、自然とフードを持っていなくても名前を呼んだだけで振り向いてくれるようになるはずです。
通常は、この段階で「フードを見せる」ことを無くしていき、フードを持たなくても振り向いてくれるようにしっかりと練習していきます。
しかしこの段階で、
フードを持って名前を呼んだ時に、愛犬が振り向いたら、褒めてフードをあげる。
フードを持たないで名前を呼んだ時、愛犬が振り向いても、褒めずフードをあげない。
ということを愛犬に経験させていると、弁別が起こってしまいます。
フードの無い時は、振り向いても褒めてもらえないので、愛犬が振り向かなくなっていくのは当然ですよね。
そんなことするわけないじゃんって思いますか?
でもあるんですよ。
日常生活の中で、
何気なく愛犬の名前を呼んだ時、愛犬は振り向いてくれているのに、褒めていなかった、ということは本当によくあります。
愛犬を叱る時に名前を呼ぶ方もいらっしゃいますね。「フードの無い状態で名前を呼ばれた時に振り向いたら叱られた」ということを愛犬に経験させているわけです。
名前を呼んで愛犬を呼び寄せて、ブラッシングや爪切りなどのお手入れを行うケースも少なくありません。もしも愛犬がお手入れを不快に感じている場合、「フードの無い状態で名前を呼ばれた時に振り向いたら不快な事をされた」という経験をさせていることになります。
トレーニング中は、愛犬の行動に対して意識してしっかりと褒めているのに、
日常生活の中では愛犬を褒めていない、という事は本当によくあります。
このような事を愛犬に経験させていると、行動に弁別が起こります。
「フードが無いと振り向いてくれない」というような状態に陥ってしまいます。
この「フードが無いとできない」問題は、他の多くのトレーニングにも当てはまります。
そうならないために日常生活のなかでも、愛犬の行動に対して、きちんと褒める習慣をつけておきましょう。
でも、、、
毎回きちんと褒めてフードをあげるという事は、、
今後もずっとフードをあげ続けなければいけないということなのでしょうか?
さらに次回に続きます。
こちらに続きます→